2021.10.13
雨が降ると連日長引きますね。
朝の冷え込みでくしゃみが止まりません。
皆様ごきげんよう、新井です。
今回は防水の歴史、シーリング材編を話していきましょう。
ただし、シーリング材は奥が深いため、さわりの部分で納めます。
前回同様、私調べですので、間違っていたらごめんなさい。
少し年配の設計士や建築工事関係者はシーリングの代わりにコーキングという語を使います。
コーキングcalkingは、隙間を埋めるという意味です。
昔から、木造船の船板の隙間や、たるの側板の隙間から水が漏らないように、
獣毛、植物繊維などを詰め込むことが行われ、これをコーキングと呼びました。
船板のコーキングの材料はその後、アスファルトやタールに変わって行きます。
ちなみに、木造船から鉄船の時代になると、コーキングはリベット留めの外板の繋ぎ目をタガネでつぶして
目潰しする作業を目指すようになり、
やがて、全溶接船の時代になって不要になります。
一方、シーリングsealingは、密閉するという意味の語です。
コーキングが作業を指すのに対して、シーリングは目的を指しています。
ですから、同じ工事に二つの呼び名があるのは別に不思議ではないわけです。
現在のノズルから押し出して充填するタイプのシーリング材(正式には不定形シーリング材)
の前身である、樹脂分と鉱物質粉末を混合したペースト状の材料は、
油性コーキング材と呼ばれていたので、ベテランの方にとっては
コーキングという呼び方の方が馴染みが深いのかもしれません。
油性コーキングは表面に皮膜が張りますが、内部は液状(ペースト状)に保たれる特徴があり、
日本では1952年にアメリカから輸入されて使われたのが最初です。
現在一般的になっている、大きなゴム状弾性変形能力を持つシーリング材の最初のものは、
ポリサルファイド系で、アメリカでは1950年代に盛んに建設された高層ビルのカーテンウォールの
目地に使用され日本には1958年(昭和33年)に輸入され、1963年(昭和38年)に国産化されています。
こうしてみると、人類による長い歴史の中で、現在私たちが当然のように考え、
利用している防水材料による雨対策は、19世紀半ばに始まったもので、それ以前の時代には全て
雨仕舞いによる他なかったということになります。
このように、長い歴史の中で培われ、受け継がれてきた雨仕舞いの知恵の有用性、
これは今も変わることはありません。
防水の技術が普及した今も、現在の家づくり、建設においても
私たちはその価値を見失わないようにしなければなりません。
ところで、シーリング材の発達に関して、興味深いエピソードがあります。
近代建築の巨匠、フランク・ロイド・ライト氏が設計した
ジョンソン・ワックス社(1939年完成)の屋根や開口部には、パイレックスガラスのチューブを平行に並べた面から採光するという、斬新なデザインが採用されました。
シーリング材が発達する以前の建設ですから、ガラスチューブの継ぎ目からの止水は、ガラスパテをはじめとして様々な材料が試されました。
しかし、ことごとく失敗して雨漏りが止まらず、ガラスとの密着性に優れた
シリコーン系シーリング材が開発されて、やっと雨漏りがしなくなるまで、
実に20年を要したということです。
防水技術が近代建築のデザインを支えたと以前話したかもしれませんが、
天才建築家の発想は技術の進歩の遥か先を行っていたということですね。
*ちなみにこの記事を読んで、「なるほど、シリコーン系シーリング材なら止まるのか!」
と早合点は絶対にしないで下さい。
外壁や屋根等、付着体によっては最悪の結果になる事もあり、直すに直せないと言ったことになります。
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今年の秋も短そうですね。
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