2022.01.19
皆さまごきげんよう。
風が強いですね、今回は風と雨漏りの関係に話していきます。
雨漏りの発生に関して、雨単独より、風との組み合わせが厳しい条件になるのは理解出来ますが、雨漏りの発生件数により密接に関係するのは、雨量、風速のどちらでしょうか?
この疑問に答えてくれる興味深い調査事例があったので紹介します。
調査の対象は、木造在来工法による戸建て住宅専業のある建設会社が、1976年7月から1983年末にかけて関東地区の8都道府県に建設した3600棟の住宅です。
この期間内にその時点における累積建設戸数の1%を超える数(15〜92棟)の住宅で雨漏り事故が発生した日が合計9日ありました。この9日間に事故を発生した住宅の戸数は延べ355棟で、同一住宅で複数発生しているケースがあるため、事故件数は全部で424件ありました。
この調査では、雨漏り事故が発生した住宅敷地の最寄りのアメダスの観測記録から、毎時の降水量と風速・風向を、事故発生日から住宅の竣工日まで遡って調べ、分析を行なっています。これらの雨量や風速の統計値、例えばそれぞれの日の合計値や最大値、あるいは雨量と風速の積の日合計値や最大値などが、事故の発生以前に比べて、事故の当日に必ず最大値を示していたとすれば、その統計値が雨漏りの発生の決定的な気象要因と言えるのですが、この条件を100%満たすものはありませんでした。その中で、条件を満たす率が最も高かったのは、「事故発生日の風向」±90°の風向範囲に絞り込んだ、毎時間雨量と毎時風速の積の日最大値でした。
後日、「雨の傾きと風速の関係は?」で解説しますが、雨量と風速の積は、壁面に当たる雨量と相関があります。この調査結果は、雨漏りの発生に最も強く関係しているのは、雨と風、どちらか一方の強さではなく、壁面雨量が多くなる条件であることを示しています。
また、この調査では、各地の漏水事故発生日の日降水量と降雨時最大風速を、件数の大小を含めてプロットしたデータでは、発生件数が多い日は、降水量が非常に多くて風速は比較的弱い条件、風速が非常に強くて降水量は比較的少ない条件、降水量と風速が共に同じくらいの条件を結ぶ直線付近に分布しています。このことからも降水量と風速の積が大きい条件の日に事故が多発しています。
実際に発生した雨漏りの原因箇所や内容は様々だったということですが、この分析で事故の発生件数と壁面雨量の相関が明確であることから、壁面の雨がかりが木造住宅の雨漏り事故発生の必要条件となっていることは確かと言えそうです。
だいぶ専門的かつマニアックな話になっています。
今日はこの辺で。
皆さま防寒対策はしっかりと過ごしましょう。
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